大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和34(オ)1119 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人橘川光子の上告理由第一点について。

所論は、一〇万八〇〇〇円の消費貸借の成立等に関する原審判示を云々するが、

原判決は、必ずしも右金額の消費貸借が訴外Dと上告人との間に成立したことを確

定せんとしたものではなく、一方に右金額の公正証書が債務名義として存在するに

かかわらず、重ねてその同じ消費貸借債務に基づき、何ら金員の授受を伴わずに本

件消費貸借契約の公正証書が作成されたことを認定し、これを後者の債務名義とし

ての効力を否定する一事情として指摘しているに過ぎない。所論は原判示を正解せ

ぬものであつて、採用に値しない。

同第二点について。

原判決は、本件公正証書の債務名義としての効力を否定する理由として所論強迫

の点を認定したものではなく、単に金員の授受もないのに本件公正証書が作成され

るに至つた事情として所論の判示をなしたに止まるものと認められる。従つて、所

論もまた原判文の趣旨を正解せざるに帰し、採用できない。

同第三点について。

所論は、原判決が措信せずに排斥した証拠に基づく議論であつて、ひつきよう原

審の専権に属する証拠の取捨、事実の認定を争うに帰し、上告適法の理由とならな

い。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第二小法廷

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裁判長裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 池 田 克

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

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